
わが国日本は海に囲まれた海洋国家であるにもかかわらず、水中で発掘された文化遺産についての法律は全く整備されていないのが現状です。水中から遺産が発見された場合には、難破船の残骸や漂流物に対する「水難救護法」の適用しかなく、届け出先は各市町村長であり、遺失物扱いにしかなりません。仮に水中から発掘された遺産が文化財に匹敵すると判断された場合にのみ「文化財保護法」が適用されます。またリゾート開発、公共事業等の埋め立てにより歴史的遺物が失われた例もあります。ビルの建設中に遺跡が発掘された場合には法律で保護されることになっているのに対し、水中文化遺産に関しては明らかに法整備が欠落しています。

わが国におけるサルベージとは「海難の発生による遭難船の救助、外洋・深海での沈没船や航空機等の捜索、回収作業」としか認識されておらず、「文化財発掘と保護」を目的としたサルベージを行う民間企業はRST以外にまだ日本には存在しません。これまで水中文化遺産の発掘は、地方公共団体が中心におこなってきました。そのような中で1980年、長崎県対馬沖に沈んだとされるロシアのバルチック艦隊の軍艦「ナヒモフ号」を故・笹川良一氏が私財を投じて引揚げようと試みました。当時最新の技術を駆使しましたが、充分な成果は得られませんでした。技術が向上した現在では、引揚げへの可能性も充分期待できます。またユネスコの水中文化遺産保護条約も発効、日本でも海の中の文化遺産へ注目が集まり始めています。
歴史的に価値の高い文化遺産を、適切かつ迅速に発掘するには民間の活力導入が必要であり、そのためには文化遺産の保護と、引揚げ遺物に対する所有権等にかかわる法律の整備が不可欠です。
RSTは、日本での法整備を目指す「海中埋蔵文化遺産保護法」制定推進日本議員連盟の設立に向けて積極的に働きかけています。

