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「日本見聞録」の意訳をきっかけに、いろいろな縁が結ばれたと感じていらっしゃるとか?
安藤:はい。まず、「日本見聞録」のために銅版画家の深沢幸雄先生が「メキシコ詩情」という作品を提供してくださったことが挙げられます。深沢先生はカラーメゾチントといわれる技法の世界的第一人者で、私が高校生のときに美術を教わった先生でもあります。メキシコに招かれエッチングを指導し、南米大陸全体に普及させた功績が認められ、メキシコ国文化勲章アギラ・アステカを受賞されました。今回、色鮮やかなパステル画に魂の響きを感じる詩が添えられた先生の作品を「日本見聞録」に収録させていただけたことで、より一層おくゆきのある仕上がりになったと感じています。

先生ご自身も俳句や芸術分野での活動も多いですよね?
安藤:若いころは、西東三鬼・金子兜太・森澄雄・寺山修司・加藤郁乎らの俳人と交友関係にありました。昨年には、句集「鋼の星」、エッセー集「火喰い鳥」を限定80部で出版しました。(深沢幸雄版画・国書刊行会)

限定80部というだけあってとても立派ですね。
安藤:ありがとうございます。私自身、落款印など趣味の範囲で楽しんでいるものも多いですが、深沢先生などは手紙のやりとりといった日々の小さなことにも芸術を感じますよね。
ところで先生はお酒がお好きとか。ふるさと文化研究会の活動でも有機無農薬の酒米を栽培して酒づくりをしていましたよね?
安藤:子供のときに大人たちが隠しているどぶろくを見つけて飲んだりはしていました。その延長からか今でも日本酒を中心に良く飲みますが、そこでの友人たちとの交流が私は好きなのです。自分でも趣味で酒のラベルを書くことはありますが、ふるさと文化研究会でつくった酒には、友人の竹久みなみさんにお願いして、祖父、夢二の代表作「舞」の絵をラベルに使わせていただきました。ちなみに酒づくりは「岩の井」の名工、菊池杜氏にお願いしています。
岩瀬酒造さんとはドン・ロドリゴ見聞録の情報収集などでもお世話になっていますが・・・
それはとても贅沢ですね。ここでも先生の人脈と交友関係の広さがあらわれていますね。日々さまざまな活動に精力的に取り組まれている安藤理事長ですが、今後の活動予定は?
安藤:徳川家康の側室お万の方を題材にした小説を執筆しようと資料を集めているところです。お万の方は紀州徳川家初代藩主と水戸徳川家初代藩主の生母であり、たいへんな才女でしたから、家康のところを訪れたドン・ロドリゴにお万の方も会ったというストーリーにしたらおもしろいのではないかと構想中です。きっとお万の方だったら興味深い質問を投げかけたに違いありません。それと、来年は「東京湾岸の縄文貝塚の世界文化遺産」登録も本格的に推進していきます。このようにいろいろなことに興味を持ち、何事も目的意識をもって取り組んでいくことが元気の秘訣だと思っています。
